なぜ白が好き?日本で白いユニフォームが好まれる理由
白いユニフォームを着る職業はたくさんあります。
日本人は白いユニフォーム対して、特別なイメージを持っている人が多いように感じますが、
それはどうしてなのでしょうか?
今回はその裏に隠されたイメージや気持ちなど、
白いユニフォームの謎に迫ってみたいと思います。
目次
日本の白衣事情
日本では、白衣は主に医療従事者や食品工場、飲食店、研究所、美容関係者などの間で
ユニフォームとして使用されています。
医療従事者が白衣を着るようになったのは明治時代といわれています。
そもそも医療従事者がユニフォームを着るという発想は、
かの有名なナイチンゲールにまで遡っており、これが看護師が「白衣の天使」といわれる所以です。
医療従事者の白衣には、汚れが目立つ色を着ることで清潔さを保つと同時に、見た目の清潔感にも配慮しているといわれています。
最近では看護師のユニフォームを中心に、白以外の淡いピンクやブルーなどのユニフォームもありますが、やはり白いユニフォームが根強く支持されているようです。
衛生管理が重要になる食品工場でも、白衣が使用されています。
白いユニフォームは汚れが目立つ為、それを着用することで汚れていない清潔な状態を周りアピールすることや、汚れの発見が早くできるので衛生的な作業ができるんじゃな。
食品への安全意識が高くなるのに伴い、ユニフォームにも国際基準規格に適合するような高い衛生管理がもとめられるようになりました。
作業に応じて形はさまざまですが、今でも工場作業者のユニフォームはほとんどが白です。
『防汚・撥水・抗菌加工』などが施されており、常に清潔に着られるように作られています。
飲食店でも、板前やシェフの多くが白い調理着を着ています。
板前が白いユニフォームを着るようになったのも明治時代だといわれています。美容室や理容室でも、かつては主に白衣が着用されていました。
こうした業種で白衣が一般的になったのは、第二次世界大戦後。GHQによって制定された環境衛生法で、指定職種の従事者には白衣の着用が義務づけられたためだといわれています。
なぜ白が好まれる?
そもそもユニフォームは、汚れや感染から身を守るために着るという目的があります。
たとえば、研究所ではラボコートと呼ばれる白衣が使われていますが、これは実験などで化学薬品が体に付着しないようにするために着るものです。
このような目的からすれば、ユニフォームの色は何色でもいいはずです。
しかし現実には、衛生管理が求められる多くの職業で白いユニフォームが採用されています。
これにはおそらく、次のような理由があると思われます。
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①汚れを目立たせる
汚れがつきやすい仕事は不衛生になりがちです。ですから、あえて汚れがつきやすい白を着ることで、洗濯・クリーニングのタイミングを知ることができます。
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②身なりで職業がわかる
全身真っ白という服装は、一般の人が普段ファッションとして着ることはほとんどありません。白い服はかなり目立ちますから、人が多い場所でもすぐにわかります。白い服を着ている人は、何らかの衛生管理が求められる職業の人だとすぐにわかります。
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③専門職としての意識づけ
結婚式のウェディングドレスに代表されるように、白には特別なイメージがあります。たとえば、医師の白衣は一種の権威のシンボルでもあり、白衣を着た医師の前で図ると血圧が高くなってしまうという人もいます。このような白衣へのイメージは、着る人のプロ意識を高めるのにも役立ちます。
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④見る側からの要望
人と接する機会が多い職業では、相手から見た印象というものも重要です。人は白という色に対して信頼、責任感、清潔感、慈悲心、潔白、浄化といった印象を持ちます。ですから、信頼して任せなければならないような職業の人には白いユニフォームを着てほしいと思うのです。
今は白だけでなく、仕事に応じたユニフォームが選ばれている
このように、白いユニフォームは清潔感や衛生管理が求められる多くの職業で採用されてきましたが、権威や冷たさなどマイナスのイメージもあります。
そこで今では、ユニフォームの色はもっと柔軟に考えられています。
たとえば、同じ医療従事者でも救急救命や手術を行う科もあれば、心療内科や生活習慣病外来、小児科など、患者に寄り添って話を聞くことが重要な科もあります。後者の場合は、白いユニフォームよりもっと優しい色合いのユニフォームが好まれるでしょう。
飲食店でも、高級さを重んじる店であれば権威付けに役立つ白いユニフォームがよいかもしれませんが、居酒屋などフレンドリーでカジュアルな雰囲気の店であれば、店長からアルバイトまで全員が店のロゴカラーのユニフォームを着て接客するなどしたほうが、お客様に好印象を与えることができます。
研究所でも、長時間の実験で疲れないようにするためには、汚れが目立ちやすいと同時に目の疲れを軽減するライトグリーンのユニフォームを採用してもいいかもしれません。
大事なのは、色が持つイメージと機能性を意識しながら、目的や用途に合わせたユニフォームの色を選ぶことです。
色と形をしっかり選んで快適な仕事環境を作ろう!
ユニフォームは長時間着用するものですから、仕事のしやすさや労働意欲などに影響を与えます。
元気に気持ちよく、充実した仕事環境を整えたいなら、ユニフォームの形だけでなく色にもこだわってみてはいかがでしょうか。
カテゴリ: 飲食店ユニフォーム豆知識
UPDATE: 2018/06/26